あの日、ご両親が目の前で流れに飲まれていく姿を見ながら人家の屋根にしがみつき、助かった青年。しかし、いつ新たな津波が来るかもわからない。
死を決意した彼は、せめて両親の最期を兄弟に伝えられたらと遺書をしたためようとしましたが、一本の鉛筆も紙もありませんでした・・・
無事に生き残った彼が私のコンサートで、「一本の鉛筆」を聞いて涙が止まらなかったといいます。
美空ひばりさんが第1回広島平和音楽祭で歌ったこの歌は、原爆の犠牲となった愛する人にささげられたもの。
あなたに聞いてもらいたい
あなたに読んでもらいたい
あなたに歌ってもらいたい
あなたに信じてもらいたい
一本のえんぴつがあれば
私はあなたへの愛を書く(中略)
一本のえんぴつがあれば
人間の命と私は書く
奪われた多くの命に心からの哀悼の意をささげ、残された人たちの心の平安を祈ります。